農林中金バリューインベストメンツの奥野一成さんが書かれた「投資家の思考法」。
奥野さんと言えば、日本における長期厳選投資のパイオニアであり、バフェット流の投資を行う数少ないファンドマネージャーの一人です。
そんな奥野さんの「投資家の思考法」を読んで、印象に残っているのが以下の2点です。
①お金に困らなくなる2つの方法
お金はありがとうのしるしであり、利益は問題解決の対価である。
だからこそ、お金に困らない2つの方法が導き出されると本書で述べられています。
①自己投資:顧客・社会が考えた問題を発見・解決できるビジネスパーソンになり、自分が働く。
②長期株式投資:顧客・社会が抱えた問題を発見・解決できる企業のオーナーになり、その企業に働いてもらう
~投資家の思考法 P39,40より~
つまり、若いうちは圧倒的に「自己投資」に比重をかけ、「長期株式投資」はひたすらフローの中からコツコツ積み立てていくことが大切になってきます。
自己投資することで身に付けた「自分で稼ぐ力」は、インフレになっても目減りしないし、仮に会社が倒産したとしても奪われることはありません。
それに問題解決ができる人になれば、身の回りの人や社会のためになり、”豊かな満足感”も得られるはず。
現状維持ではなく、自己投資を通じて自分を高めていくことの大切さを改めて感じました。
②自分ポートフォリオを作ってみよう。
ポートフォリオと聞くと、「株式は何%入れるべきか」「外貨建て資産は組み入れるべきなのか」など、金融資産のポートフォリオを思い浮かべますよね。
しかし、20~30代の多くの若い人にとって人生最大の資産は紛れもなく「自分」です。
若い方はこれからお金を稼いでいく時間があるからこそ、金融資産ポートフォリオをどうするかよりも「自分」という資産の価値を上げる方が、よりインパクトがあると本書で述べられています。
この「自分が働く=自分資産」と「自分以外に働いてもらう=金融資産」を組み合わせた考え方を「自分ポートフォリオ」と呼んでいます。
自分ポートフォリオの図~投資家の思考法 P201より~
この自分資産には「会計、統計、プログラミング」などのスキルだけでなく、先輩や同期とのつながりも含みます。
自分資産が豊かになれば、金融資産の増大や心の豊かさにもつながる。
私も一度、自分ポートフォリオを作ってみたのですが、自分をすごく客観視できましたし、「じゃあ、この自分資産を豊かにするために次は何をすべきか?」と前向きな気持ちになれました。
会社が年に1度決算書を作るみたいに、自分も年に一度は自分ポートフォリオを作って自分を振り返る時間を作っていきたいです!
本書を通じて、改めて自己投資して自分を高める大切さを感じました。
奥野さん、ありがとうございました!
【今回紹介した本】
ビジネスエリートになるための 投資家の思考法 The Investor’s Thinking [ 奥野 一成 ]